Contents
慣れない土地での子育てに不安を感じたら、思い出してほしい施設があります。
長浜市今川町の子育て支援センター「のんびりぴよっこ」は、乳児保育のスペシャリスト「ひよこ乳児保育園」が2024年5月に開所した子育て支援施設。一軒家の中には手作り玩具が並び、幅広い世代の保育士が、0〜3歳のお子さんとその保護者をあたたかく迎え入れてくれます。ほっこりとした空気が流れる、そこはまるで“第二の実家”。開設のきっかけや取り組みについて、ひよこ乳児保育園の狩野園長とチーフの杉田先生にお話を伺いました。
- 施設名称
- 子育て支援センター『のんびりぴよっこ』
- 代表者名
- 社会福祉法人 ははのくに ひよこ乳児保育園長 狩野 典子先生
- 施設住所
- 〒526-0816 滋賀県長浜市今川町243-18
- アクセス
- Googlemapを開く
- 施設電話
- 0749-59-3542
子育て支援センター開設のきっかけを教えてください
近年は、核家族化や共働き家庭の増加により、心身の不調を抱え、診断書を手にお子さんを預けられる方が増えてきたように感じます。地域とのつながりが薄れ、家族のサポートも得にくいなかで、ひとりで抱え込んでしまうお母さんたちの姿を目にすることも少なくありません。
もともと私たちは、民間から草の根的に始まったひよこ乳児保育園を母体としていて、気安さや安心感のある家庭的な雰囲気の保育を大切にしてきました。「なんとか力になれないだろうか」という思いを抱いていたところ、子育て支援センター増設の話があり、真っ先に手を挙げたのが始まりです。
黄色信号のうちに、つらい気持ちを話せる場所があったら─子育て中のみなさんに安心できる居場所をつくりたい─そんな願いから「のんびりぴよっこ」は生まれました。



子育て支援サービスの特徴やこだわりを教えてください
ここでは、どちらかというと「お母さん」に視点をあてて支援をしています。私たちは、こどもが、地域や園など家庭以外でもたくさんの愛情を注がれた経験に大きな価値があると考えています。そのうえで、お母さん方にも“自分の親以外にも認めて応援してくれる場所が、地域にもあるよ”ということを伝えたいのです。お母さんの安心した様子をみるとこどもも安心するので、私たちは“こどもを守るお母さん”の支援を大切にしています。


関わり方の特徴について詳しく教えてください
のんびりぴよっこでは、一般的に2名で充分とされるなか、常勤・非常勤あわせて4名のスタッフが現場に入り、お子さんと一緒に遊んだり、保護者の方のお話を聞いたりしています。
最初は皆さん、いいお母さんを演じてしまうんですよね。でも何度か通ううちに「実は…」と本音をこぼしてくれて、じっくり話を聞いているうちに、お母さんの中にあった答えが出てきたり。“子育て支援”というと立派に聞こえますが、爆発する前に思いを吐く場がすごく大事。私たちは、お母さんと一緒に、子育てを応援させてもらうような気持ちで耳を傾けています。
また、健診で発達の指摘を受けて不安を抱えている方には、遊びやベビーマッサージなど、保育の経験を活かした発達のフォローをお伝えしています。年に数回は、園から看護師や調理師が訪れ、身体測定や離乳食のお話、手づくり玩具制作などのイベントも開催。保育現場で培った知識と経験を、そのまま地域の子育て支援に活かしています。

利用者の方からよく聞く感想やエピソードを教えてください
利用者の方からは、よく「実家みたい」と言われています。県外から長浜へ嫁いで来る方も多く、実家のお母さんに愚痴をこぼすような感覚で立ち寄れるのが、のんびりぴよっこの特色かもしれません。
毎日のように通ってくださる方もいて「明日から“本当の実家”に帰るので1週間お休みします」と、わざわざ連絡をくださったり。もちろん連絡は不要なのですが、戻ってきたその足で「ただいま〜!」と来てくださるんですよ。なかには“ばぁば”と呼んでくれる子までいます(笑)
利用者さんとの距離感が伝わりますね
ここは利用者さん同士の雰囲気もとても良いんです。お母さん同士が声を掛けあって、初めての方も絶対一人にしない、そんなあたたかな雰囲気があります。8組ほどでいっぱいになる規模感なので、2人目の赤ちゃんを連れてきたときには「抱っこさせて〜♡」と他のお母さんたちが言える距離感で上手に関わってくれています。
最近は、パパもよく来られるんですよ。「◯◯して怒られるんや」「そらそうやわ〜!」なんて会話も飛び交い、あちこちで笑い声が聞こえてきます。

長浜の魅力を「なかなか◯◯」という言葉で表現してください
長浜市は、産後ケアや妊娠・子育て応援プランが充実していて『なかなか子育てしやすいまち』だと思います。
まず、健康推進課の「子育てコンシェルジュ」が地区ごとにいて、妊娠・出産・子育てに関するさまざまな悩みに寄り添ってくれます。産後は、お泊まりや訪問など好きな形で心身のケアを受けられる施設の利用補助があったり、1回4時間、月に4回までどんな理由でもお子さんを預けられるパパママ・リフレッシュ託児制度があったりします。ちょっと美容院に行ったり、夫婦でランチに出かけたり、お母さんが煮詰まってしまう前にリフレッシュできるなら、それが一番です。のんびりぴよっこでも、3歳以下のお子さんを月に20〜30名、1日あたり1〜2人お預かりしています。
その背景には、健康推進課・家庭児童相談室・発達支援室がチームを組んで、妊娠・出産から子育て期、発達や子ども自身の悩みなどを地域で連携してサポートしていく「長浜こども家庭センター」というシステムがあります。来年度からは、子育て相談も一つの窓口として、スムーズに支援を案内できるようになっていくと思います。

移住を検討している方へメッセージをお願いします
子育てにおいて、親は、いろんな状況や環境を受け止めながら、最終的に自分で判断して決めていくと思うんです。そうした時に「それでいいよ」「よく考えたね」「がんばったね」とそっと背中を押してくれる、実家のお母さんのような存在でありたいと私たちは思っています。地域にも、助けてくれる人や支えてくれる人がたくさんいることを、ここで感じてもらえたら嬉しいです。
移住してきて、ひとりで子育てに向き合っていると、孤独を感じるときもあると思うんです。「遠くの実家より、近くの他人」という言葉もありますが、そんなときは、“近くの実家”だと思ってのんびりぴよっこに遊びにきてくださいね。みんなで一緒に子育てしていきましょう。